硬水と軟水の違いとは?


水の種類には、硬水と軟水があります。硬水は苦いような尖った味、軟水は比較的まろやかな味がします。

おもに、カルシウムやカリウムが多く含まれているものを「硬水」、一方含有量の少ないものを「軟水」とよび、

それを数値化して「硬度」という指標で表します。

理化学事典では、硬度が178度未満の水を「軟水」、357以上を硬水と分類していますが、近年では、便宜的に、

硬度100未満を「軟水」、100〜300程度を「中硬水」、それ以上を「硬水」と区別しています。

日本とヨーロッパの水の違い


日本の地下水や鉱泉水のほとんどは軟水です。

一方、ヨーロッパの水は中硬水や硬水が多いという特徴があります。

ミネラルウォーターの場合でも、それぞれに適した用途があるので、どれを選ぶかは使いみち次第です。

また、ヨーロッパのミネラルウォーターは、無殺菌、無除菌で製造されており、より自然に近い形でつくられています。

 

軟水と硬水を上手に使い分けよう


<日本料理・和風だしを使った料理には、軟水が向いています>

水はもともと、ものの香りや味を引き出す力を持っています。中でも、ミネラルが少ない水ほどその力が強いとされています。

和風だしをとる繊細な日本料理には、軟水が適しています。グルタミン酸やイノシン酸などの旨み成分が、たっぷりと引き出されるからです。

ご飯を炊くにも、軟水が向いています。

硬水で炊くとパサパサになってしまうのです。これは、水に含まれるカルシウム分が邪魔をして、米が水を十分に吸収できなるからです。水の硬度が低いほど、ふっくらして粘りのあるご飯が炊けます。

<洋風だしを使った料理は、中硬水が向いています>

硬水より硬度の低い、中硬水は、洋風だしをとったり、煮物や鍋物、しゃぶしゃぶなどに向いています。鍋物は、中に入れる肉や魚などの素材に、旨みを封じ込めた方がおいしいからです。しゃぶしゃぶも火を通すだけなので、中硬水が向いています。


<西洋料理・肉料理には、硬水が向いています>

硬水を使ったほうがおいしい料理は、肉料理です。肉料理に軟水を使うと、肉の臭みまで出してしまうからです。

硬水は、カルシウムが豊富に含まれているため、肉のたんぱく質と結合して、アクがちょうどいい具合に抜けるのです。


<飲み物には軟水、硬水?>

飲み物の場合も、香りや味わいを引き出したい場合は軟水を、マイルドな味を楽しみたい場合は硬水を使うとよいでしょう。

日本茶の苦味や渋みの美味しさが、よく出るのは軟水です。ウイスキーや焼酎などにも軟水が向いています。

また、赤ちゃんに飲ませる粉ミルクは、必ず軟水でつくりましょう。ミネラルの多い硬水でつくると、赤ちゃんの内臓に

負担をかける可能性があります。

エスプレッソなどの濃いコーヒーは、硬水を使うと角がとれて、まろやかでコクがでます。

 


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